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脊髄損傷の評価

脊髄損傷の評価についてです。

 

フランケルの分類

A 運動・知覚喪失:損傷部以下の運動機能・知覚機能が失われているもの

 

B 運動喪失・知覚残存:損傷部以下の運動機能は完全に失われているが、仙髄域などに知覚が残存するもの

 

C 運動残存(非実用的):損傷部以下にわずかな随意運動機能が残存しているが、実用的な運動は不能なもの

 

D 運動残存(実用的):損傷部以下にかなりの随意運動機能が残されており、下肢を動かしたり、あるいは歩行などもできるもの

 

E 回復:神経学的症状、すなわち運動・知覚麻痺や膀胱・直腸障害を認めないもの

 

以上のようにフランケル分類は運動と知覚機能の障害の回復の程度をA~Eの5段階で表したものであり、Eが正常、Aが最も重症であります。

Cでは歩行は困難、Dでは歩行が可能になることが多く、CとDの境界は患者のADL上大きな意味を持ちます。

 

Aはうんちなし(運動知覚なし)といった感じです。

Eは回復。ロックマンのライフ回復するE缶で覚えましょう(?)。

 

 

ここで国試の過去問を一つ。

46回午後16

75歳の男性、交通事故による第5頚髄レベルでの損傷による四肢不全麻痺。受傷後6ヶ月経過。端座位、手すり使用で立ち上がり動作、食事は太柄のフォークで自立、トイレ動作は見守り、衣服の着脱は介助。自宅内は手すり歩行で移動、屋外は車椅子移動。

フランケル分類はどれか

1.A

2.B

3.C

4.D

5.E

 

まず1のAはフランケル分類はAはうんちなしなので、これは問題文より不適切。

5のEは回復し、運動知覚の麻痺、膀胱直腸障害を認めないので、問題文より、食事での太柄のフォーク使用、衣服の介助が入っている様子をみると、若干うんちの麻痺があると考えられるため、違うことが考えられる。

2のBは運動機能はないが、仙髄域の知覚は残存なので、問題文より、自宅内は手すり歩行している様子がみられるので違う。

選択肢3(C),4(D)で迷うところですが、フランケル分類をおさえておけば勝てますので確認していきましょう。

 

3は、フランケル分類Cは実用的な運動は不能であるので、問題文より、自宅内手すりにて実用的な運動が出来ている様子から、違うことが分かる。

 

4は、フランケル分類ではDは、損傷部位以下にかなりの随意運動機能が残されており、歩行なども出来るものとあるので、問題文より歩行の様子が分かるので、適切。よって正解は4のDであります。

 

フランケル分類はAがうんちなしでEがE缶をまず覚えておき、Bでうんない(運動機能なし)が知覚あり。Cで歩けない(非実用的)がD(実用的)で歩ける。的な流れで抑えておきましょう。

 

他にもASIA機能評価尺度というものがあります。

ASIAの神経学的評価は米国脊髄損傷協会の神経学的評価で、現在最も普及している麻痺の評価法である。知覚機能および運動機能の障害の程度より、完全麻痺・不全麻痺(3段階)・正常の5つの段階に分類している。

 

フランケル分類の方が歴史が古いですが、ASIAの分類がまだ移行しきれていないため、現在では両分類が併存している状態となっております。なんてこったい。

ASIAの方も後日エントリをアップしたいと思います。

 

ということで、今回もとても基本的なことですが、実地問題と絡んでくるので確実に点数につなげていけるように復習しておきましょう。