橈骨神経に支配される筋肉
基本的なことですが、筋の神経支配と髄節レベルをおさらいしておきましょう。
筋だけではまだしも、筋の支配している神経と髄節レベルを覚えるのはなかなか至難の業です。ここでは文字情報だけではなく、ポイントをつかんで覚えましょう。
こういうのを覚えるので大事なのは、イレギュラーを割り出して覚えるということです。
例えば、ローテーターカフを構成する筋は、小円筋、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋があります。これが上腕のどこに付着しているかを覚えるときに、一つ一つの付着部を覚えようとしないでください。
まず、ローテーターカフの筋は上腕骨の小結節と大結節に付着します。ここでは小結節につく肩甲下筋をまず覚えれば、それ以外は上腕骨大結節に付くというのを覚えれば良いということです。このように、基本的なものを固めておき、その中でのイレギュラーを排除すれば、覚えやすいということです。
ローテーターカフや肩周りの筋肉の付着部は国試にも問われやすいので覚えておきましょう。
ということで橈骨神経や筋皮神経、尺骨神経、正中神経なんかは腕神経叢でもよく出てくるところで、こいつらから参りましょう。
まず、橈骨神経です。
橈骨神経が支配する筋肉は肘筋、上腕三頭筋、回外筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、指伸筋、長母指外転筋、短母指外転筋、腕撓骨筋となります。
これでピンと来た人はその通りです。これらの筋はほとんど上肢の伸筋に関わっている筋肉になります。
画像引用元:
橈骨神経麻痺の症状・原因・治療・リハビリ [骨・筋肉・関節の病気] All About
上図をみていただければ、想像できると思いますが、腋窩の辺りから上腕の裏側(上腕三頭筋)を通り、上腕骨外側上顆(肘筋、回外筋、腕橈骨筋、長・短橈側手根伸筋、指伸筋)あたりを走行し、腕の骨をまくように走っています。そして、肘のあたりで腕の内側を走り、橈骨茎状突起付近を通ります。また、手首の近くでまた表面に出てきます。
※書き方がすごいアバウトなのは、とりあえずこういう風な流れというのを入れ込むためです。正しい神経の走行はここでは触れない方向ですすめたいと思います。。。。
ということで、上肢の伸筋が橈骨神経に関わることが分かって頂いたと思います。神経の流れをみても上腕三頭筋を通り、上腕骨外側上顆を経由していることからここに付着する回外筋(前腕の回外)、腕撓骨筋(これは肘屈曲、前腕回内回外)を支配しているのも分かると思います。
このイレギュラーはこいつらで、主に上肢伸筋だが、回外筋と腕撓骨筋も橈骨神経の走行を踏まえたらこいつらも含まれるということが何となく繋がると思います
橈骨神経:
肘伸展筋(肘筋、上腕三頭筋)
指伸筋(総指伸筋、小指伸筋、長母指伸筋、短母指伸筋、示指伸筋)
手背屈筋(長・短橈側手根伸筋)
腕撓骨筋
長母指外転筋
回外筋
となります。
おまけ
肘筋C7-8
腕撓骨筋C6-7
回外筋c6-7
長橈側手根伸筋C6-7
短橈側手根伸筋C6-7
示指伸筋C6-8
上腕三頭筋C6-8
小指伸筋C7-8
長母指伸筋C7-8
短母指伸筋C7-8
長母指外転筋C7
脊髄損傷と絡めてもこの分野は出題されるので、しっかりと抑えましょう。
まとめると、橈骨神経支配は上肢の伸筋に関わるもので、回外筋と腕撓骨筋長母指外転筋がイレギュラーです。
次回は尺骨神経いきます。予定。