ギランバレー症候群
ギランバレー症候群、これも神経筋疾患でとても頻出です。ざっくりといきます。
ギランバレー症候群とは、先行感染後の亜急性に発症する免疫障害で、神経根・末梢神経の脱髄が主要病態である。末梢の運動神経を主に障害します。
末梢神経の障害ですので、
下肢から軽度の痺れが初発します。
下肢遠位から上行する対称性の弛緩性麻痺(脱力)です。腱反射は低下します。
下肢遠位から筋力低下していくことを頭に入れておきましょう。
ここで国試。
45回33
ギランバレー症候群で正しいのは?2つ
- 筋力低下は体幹に初発する
- 急性期は廃用症候群を予防する
- 血清CK値を運動量の目安にする
- 回復期は過用性筋力低下に注意する
- 軸索変性型は予後は良好である
1の筋力低下は、末梢神経なので下肢遠位からです。体幹は中枢からからの筋力低下となるので、ここでは違う。
2は急性期では廃用症候群の予防と改善、代償運動動作の獲得を行います。この際には過度の筋使用による筋力低下に注意して行います。よってこれは正解。廃用予防は急性期において大事ですね
3は末梢神経の障害ですのでCKの値は必ずしも変化しません。
※CKは、「クレアチンキナーゼ」といいます。CKは本来筋肉の中にある酵素です。したがって、このCKの値が高いということは、筋肉の細胞がこわれたことを意味します。CKの値が高くなるものに、筋ジストロフィーというめずらしい病気があります。筋ジストロフィーは、筋肉が次第に変性、萎縮していく遺伝性の病気です。
CK−検査数値あれこれ−「ニュートンドクター」全国医療機関・病医院・歯科医院情報
4の回復期は過用性筋力低下に注意するは、そのとおりです。なので、運動療法では低負荷高頻度の筋持久力訓練を行います。
5は軸索変性を伴う軸索型の方が脱髄型よりも予後不良である。軸索変性型は予後不良!!印象付けましょう。脱髄の方が良いんです。
他にギランバレー症候群では脳神経麻痺として顔面神経麻痺、嚥下障害、構音障害を呈します。注意したいのは、眼球運動麻痺が起きますが、視力障害はありません。
しっかり復習しておきましょう。