絞扼性神経障害 肘部管症候群
よく出るものです。しっかりとものにしておきましょう。
下図をみていただければ分かる通り、肘部管では尺骨神経が圧迫されやすく絞扼性神経障害を生じやすいものとなっております。
肘部管症候群の症状・原因・治療・リハビリ [骨・筋肉・関節の病気] All About
肘部管症候群の症状で正しいのはどれか。2つあるけえね。
- 母指内転筋障害
- 下垂手
- 手指の尺側偏位
- 涙滴徴候
- 鉤爪変形
1の母指内転筋障害は一発です。この筋肉は尺骨神経支配となるので、当然障害されれば母指内転筋障害が出現します。適切。
2の下垂手は橈骨神経麻痺で起こる。
わしゃ、かとう、まさる。。という語呂があります。これを紐解くと。
鷲手:尺骨神経麻痺
下垂手:橈骨神経麻痺
猿手:正中神経麻痺
となります。下垂手は橈骨神経麻痺で起こる症状ですので、肘部管症候群である尺骨神経麻痺では起こりません。
3手指の尺側偏位は、関節リウマチで特徴的な変形である。よって肘部管症候群とは違う。
4涙滴徴候とは、正中神経から分枝した前骨間神経麻痺でみられ、長母指屈筋と示指深指屈筋の麻痺により、母指と示指で正円をつくろうとしても涙痕状となるものである。オッケーのまるが作れずに雨の水滴みたいな長細い丸になるということですね。文章より、前骨間神経麻痺によるものであり不適切。
5尺骨神経麻痺で手内筋が萎縮し、特に環指・小指のMP関節、中手指骨関節が過伸展し、第1・2関節が変形した形になり、これを鉤爪変形という。
画像引用元:肘部管症候群
尺骨神経麻痺では以下の部位に萎縮や痺れが出現します。併せて確認しておきましょう。
画像引用元:肘部管症候群
今回の問題では、肘部管症候群がどの神経を障害しているかということと、その神経障害が何の症状を引き起こすのかということ、涙滴徴候がポイントになったと思います。
まとめると肘部管症候群は尺骨神経が圧迫される絞扼性神経障害を生じるものです。尺骨神経麻痺なので、母指内転筋が障害され、尺側の痺れや萎縮をイメージし、該当する症状(今回は鉤爪変形)を導き出せれば解ける問題だと思います。
肘部管症候群は尺骨神経なので、手指の尺側偏位はちょっと気になるけど、これがリウマチの症状ということを知っておけば引っかからずに選択肢を否定することが出来たのではと思います。ちなみに私はこれに引っかかりました。。
今回のエントリで画像を引用させて頂いたリンク先ではさらに詳しく肘部管症候群について書かれておりますので、参照してみてはいかがでしょうか。