脳出血患者のリハビリテーション について(国試向け)
タイトル通り、国試の問題でよく問われる脳出血のリハビリテーションについて書いてみます。
脳出血障害のリハビリテーションではしばしばアンダーソン・土肥基準、中村の基準により血圧・脈拍、動機、息切れ、不整脈などに注意してリスク管理をするとあります。これはとても大事なことです。
例えば、訓練中に脈拍120回/分を超えた場合は運動を一時中止し、回復を待って再開します。140/分を超えた場合は中止です。
深部静脈血栓症の患者にワルファリンカリウムを内服している場合は易出血性に注意します。
ワルファリンカリウムは血液を固まりにくくする作用(
また、長期臥床による深部静脈血栓症がある場合は、急な運動によって肺塞栓症を発症するリスクがあるので注意です。
横道にそれますが、変形性膝関節症を呈した場合は深部静脈血栓症になりやすいと言われています。運動療法では、深部静脈血栓症を呈している側での運動を行うと、血栓が飛んでいってしまい思わぬリスクに繋がることがあるため、深部静脈血栓症になっている患側側の急激な運動は避けた方がいいです。という問題が出たのを思い出しました。とにかく注意です。
次は運動療法についてです。
以前のエントリではJCSの意識障害レベルのことを書きました。それを踏まえての脳血管障害での運動療法について。。
くも膜下出血患者の運動療法。JCSは10。という症例での実地問題でした。
JCSが10ということは、刺激をすると覚醒する状態です。また、10なので呼びかけで覚醒する状態です。
JCSが出ていることから意識レベルに合わせた運動療法を選ぶ問題です。
体位変換と関節可動域訓練が今回は適切であるという問でした。
JCS10ということで、まずは体位変換をすることで褥瘡を防ぐことが可能になる。
関節可動域訓練により拘縮を防ぐことができる。なるほど。
その他の選択肢では、移乗訓練、腹筋強化、座位耐性訓練というのがありました。
座位耐性訓練の開始基準は
①障害(意識障害、運動障害、ADLの障害)の進行が止まっていること。
②JCSが1ケタであること。
③全身状態が安定している状態であること
が座位耐性訓練の開始基準となるそうです。
なるほど、そう考えれば移乗訓練と腹筋の強化はJCS10というのを考えればまだこの段階では適切ではないのがなんとなく分かってきます。
というわけで、今回のエントリは脳血管障害のリスク管理、運動療法について書いてみました。まとまって書けてないのが非常に見苦しいですが、そこはお許し下さい。
基本的なことですが、焦らず考えたら分かりそうですので、落ち着いて確実に点数につなげていきましょう。